最終更新日 2024年11月21日
「神社本庁の役割について知りたい」
「そもそも神社って何?」
「神社の仕組みについて知りたい」
伊勢の神宮を本宗と仰いで全国にある八万社の神社を包括する組織として設立されたのが神社本庁であり、祭祀の振興と神社の興隆、そして日本の伝統や文化を守り伝える組織となっています。
間違えてしまいがちですが官公庁ではなく、宗教法人法に基づいた文部科学大臣所轄の包括宗教法人というのも特徴です。
戦後の神祇院の解体により、国家から分離された神社を組織するため皇典講究所と大日本神祇会、神宮奉斎会といった三つの民間団体が中心となり事務を継承して宗教法人、神社本庁として設立しており他の宗教のような統一的な教義はありませんが、敬神生活の綱領という三つの綱領が存在しています。
神社本庁に登録するメリットとデメリット
神社本庁憲章に基づいて神職や総代の役割はもちろんのこと、神社本庁や神社の信仰的な機能が決められています。
地方組織として各都道府県に神社庁が存在していますが、日本にある全ての神社が対象となっているわけではなく属していない神社も存在しており、属することによるメリットとデメリットも理解することが大切です。
神社本庁に登録することによるメリットとしては、格式や免許取得、講習や講演などの受講だったり神道系学校への進学、神道新聞や書籍、情報が豊富な点や裁判やトラブルになったときに助けてもらえたり、神社が破産したときに援助してくれるなどが挙げられます。
それ以外にも神職の上級クラスになることができれば、皇居の神事や伊勢神宮の儀式といったところへの奉仕の可能性も高まります。
しかし当然デメリットも存在しており、金銭面の負担が大きいことや奉仕や活動の手伝いをする必要があったり、自由度が軽減するなどを始め様々な負担があることは頭に置いておかなくてはなりません。
もちろん都道府県による決まりの違いもあるので、事前に確認しておくことが大切です。
単立神社は近年増加傾向にある
画像出典元:https://mobile.twitter.com/hashtag/単立神社
神社本庁などの包括宗教法人に所属していない独立した神社を単立神社と呼んでおり、近年増加傾向にあります。
宗派や目的の違いはもちろんのこと、本庁の内部問題などを理由として単立神社となるケースが多いです。
本庁に属することにより、毎年上納金を納めなくてはならず、金銭面の負担が大きくなりがちです。
上納金の金額は神社の規模により違いがありますが、規模が大きな神社ほど負担も大きくなるので大規模な神社は単立神社になるケースが増えつつあります。
単立神社になることにより包括する宗教法人がいなくなるので、当然上納金を納める必要がなくなります。
上納金分の負担軽減というのは、かなり大きなメリットとなるからこそ単立神社になる場合が多いです。
制限を受けることなく自由に運営していきたいという考えの人にも適しており、ルールに縛られないのは魅力と言えます。
その他にも宗派の違いが理由となっているケースもあり、祀っている神様が異なることにより単立になることを選択している場合も珍しくありません。
人事問題を始め本庁には様々な内部トラブルがあると言われており、それを原因に独立する神社も多く所属することによるメリットとデメリットを理解した上で判断することが大切です。
単独になるためには手続きも必要
単独になるためには手続きも必要であり、その方法も一つではありませんがどの方法を選んでも正式ないくつかの手続きをした後、法人登記を変更する必要があるので、離脱したいからといってすぐにできるわけではなくある程度の期間が必要になることも頭に置いておきましょう。
属することをやめて単独になるだけではなく、その逆のパターンとして単独だった神社が属することも可能です。
法人格を所有していない任意団体の場合には、まず法人格を取得する必要があります。
法人格がなければ団体名義での口座の開設だったり、事務所の団体名義での賃貸といったあらゆる手続きが行えないので法人格を有することから始めなくてはなりません。
本庁の統理と所轄庁からの承認を得て、法人格の取得と本庁に所属する手続きをするようにして手続きを行って行くことで、本庁の被包括宗教法人になることができます。
既に法人格を有している単立宗教法人の場合には、本庁から独立する時と手続きや流れは大きな違いはありません。
どちらの場合でもある程度の期間が必要になることには違いがないので、余裕を持っておくことが大切です。
本庁に属しているかいないかにより、神社の良し悪しが判断されることは決してないので、メリットとデメリットをしっかりと把握した上で判断するようにしましょう。
まとめ
金銭面の負担や自由度が低くなることから独立する神社も増えていますが、どちらの方が参拝に相応しいという違いは決してありません。
神社に足を運ぶ際には本庁に属しているところもあれば、属していないところもあるということを知っておくと、より神社を身近に感じたり参拝する時に考える内容も深くなるのではないでしょうか。
近年では独立する神社が増えている傾向にありますが、もちろん独立している神社が再び属することも可能です。