貞操権侵害に当たるケースや慰謝料について

最終更新日 2024年11月21日

貞操権侵害と呼ばれる言葉がありますが、これは誰と性的な関係を持つのかどうかを、自分自身で決める権利のことを指しています。
主に独身の女性について使われることが多いでしょう。
性的関係の相手を誰と結ぶのかについては、女性にとっては重要な選択であり、人格にも大きな影響を与えることにもなります。
そしてこれだけではなく、もう一つの意味があることも忘れてはなりません。
それは夫婦がお互いに、配偶者以外のものと性的な関係を持たないようにと求められる権利のことを指しています。

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相手男性が既婚者であることを隠して未婚や独身を偽っているケース

貞操権侵害については、その有無が問題になるケースが多いです。
その1つが相手男性が既婚者であることを隠して未婚や独身を偽っているケースです。
偽ってその男性と性的関係を持った場合には、女性にとっては貞操権侵害を受けたと言うことになるでしょう。
相手が既婚者の場合には絶対に関係を持たなかったである性的関係を、相手が嘘をついたことが原因となり持ってしまったのです。
性的関係の相手を決めるための自由な意思が損なわれたことにもなるでしょう。

顧問弁護士というお仕事

結婚を持ちかけられたケース

そして結婚を持ちかけられたケースです。
相手の男性から思ってもみないような結婚の話を持ちかけられたことによって、女性が気持ちを許すこともあるかもしれません。
このような嘘がきっかけで性的関係を持った場合にも、女性に対する貞操権の侵害にあたるのです。
この人と結婚を考えるのであれば身を任せても良いだろうと思うのは、女性にとっては自然な気持ちの1つです。
その結婚の話が嘘なのであれば、性的関係を持たなかったことにもなり、自由な意志が損なわれたといえます。

肉体関係があった場合

さらには肉体関係があった場合です。
相手男性と肉体関係があったとしても、互いを愛し合う気持ちからであれば、自然な姿と言えるでしょう。
しかし男性の嘘により女性が肉体関係に応じた場合には、性的関係の相手を選ぶことができる女性の自由な意思を損なったものとしてみなされます。

マッチングアプリの問題点

近年では結婚したい、恋人を作りたいとなった場合に、マッチングアプリを利用する人が増加傾向にあります。
以前までは友達の紹介であったり、合コンをするなど、誰かとつながっているケースが多かったのですが、インターネット上で結婚相手や恋人などの出会いを見つけるケースが増えてきているのです。
真面目に結婚相手や恋人を探したいと考える人にとっては、有益なツールであるかもしれませんが、中には性的関係だけを求めて悪用する悪い人がいるのも事実です。
既婚者が未婚だと嘘をついて婚活パーティーに参加したりマッチングアプリを利用して相手を探し、性的関係を結ぶこともあるかもしれません。
このようなケースでは、相手女性の貞操権の侵害になる事は明確です。
婚活パーティー、マッチングアプリなどのようなインターネット上の出会いが、貞操権の侵害の温床になっている事は、現代の問題ともいえます。

貞操権の侵害を理由に慰謝料請求ができないケース

貞操権侵害に見舞われた女性は、相手の男性に対して、損害賠償として慰謝料請求することが可能です。
しかし性的関係を持っただけでは、侵害されたことにはならないのが実情です。
貞操権の侵害を理由に慰謝料請求ができないケースとしては、そもそも肉体関係がないことです。
また結婚を持ちかけられていなかったり、そもそもの証拠がないこと、最初から既婚者だと知っていて関係を結んだ場合や、交際を継続していたことなども該当します。
これらは貞操権侵害はあり得ず、慰謝料を請求することは不可能です。

貞操権侵害による慰謝料の相場

貞操権侵害による慰謝料の相場としては、一般的には数十万円から300万円程度が相場となっています。
争いの内容は様々であり、裁判所が示す基準もかなり抽象的なものとなっています。
これまでの事例と照らし合わせ、自分自身の事例にふさわしい慰謝料額を決めることが求められます。

慰謝料額の決め手になるもの

慰謝料額の決め手になるものとしては、性的関係に至る男女双方の違法性の度合いが挙げられます。
男性側の違法性の度合いが大きければ大きいほど、慰謝料の金額も高額になるでしょう。
そして類似の事案に関する裁判例です。
類似する事案があれば、その際に示された慰謝料額が大きく影響を及ぼすことになります。
類似の事案がある場合には、出来る限り同じ金額にするのが公平を保つことになることが理由です。
また裁判官の考え方も大きく反映することになります。
貞操権について重く受け止める裁判官であれば、慰謝料金額が高額になることが予想されます。
その反対であれば、高額の慰謝料にならないことも予想されるでしょう。

まとめ

また裁判ではなく示談での解決を目指すのであれば、どのように交渉で駆け引きを行うのかが1つの決め手です。
女性が1人で交渉に臨むと、相手の男性のペースにはまってしまう可能性が高いため、時短での解決を目指すのであれば、交渉のプロとも言える弁護士についてもらうことで、交渉を有利に進めていくことができるでしょう。
これにより高額の慰謝料を手にすることができるかもしれません。

 

貞操権に関してよくある質問

Q1. 貞操権とは何ですか？

A. 貞操権は、性的な行動を自分で決定する権利を指します。
つまり、自分自身の性的な行動について自分で責任を持ち、自分が選んだ性的な行動に対して責任を負うことができる権利を意味します。

Q2. 貞操権は女性だけに関係しますか？

A. いいえ、貞操権は男女問わず誰にでもあります。
性的な行動について自分自身の決定を下せる権利は、男女共に持つべきものです。

Q3. 貞操権は性的な行動だけに関係しますか？

A. いいえ、貞操権は性的な行動だけに限られるものではありません。
自分自身の人生について、自分自身の決定を下せる権利を意味するため、性的な行動だけでなく、職業や家族、友人関係など様々な面でも適用されます。